営業力強化ケーススタディ「法人向けサービス会社」 ~ 営業担当者の交渉力を強化し、各商談の利益率を増やし、その上、お客様との関係を強化する。

今回は、クライアント企業の営業組織が行った「営業担当者とインサイドセールスの交渉力の強化」についてご紹介します。私たちの「営業担当者の取引交渉力の強化 TSメソッド」プログラムを採用いただき、トレーニングを実施しました。

営業組織の目標達成のためには、営業担当者の売上の増加が必要です。しかし、お客様との関係を考えると、お客様からの値引き要求を受け入れざるを得ません。特に、お客様が大手企業ですと、厳しい値引き要求も多くなります。そうなると、売上の増加ができないばかりではなく、重要な利益を失うことにもなっています。このような「売上と利益率の向上」と「お客様の関係の維持」の板挟みの解決策となるのが「交渉力」です。

このノートでは、このクライアント企業が「営業担当者の取引交渉力の強化 TSメソッド」プログラムを実施することになった背景と実施した効果について解説します。

営業担当者の交渉力を強化し、各商談の利益率を増やし、その上、お客様との関係を強化する

現在の営業組織/営業担当者がおかれている状況

営業という仕事は、ますます難しくなっています。特に、「大手アカウント」や「エンタープライズ企業」とも言われる大手企業への販売は、誰でもができる時代ではなくなりました。以前のような「足繁く通うだけの営業方法」だけでは、自社の売上を増やすことができないだけではなく、お客様の仕事の邪魔にもなる時代です。

大手企業を担当する営業担当者には、様々な知識/様々なスキルを身に着け、それを最大限に活用する応用力が求められています。それをできるプロフェッショナルな営業担当者だけが結果を出せる時代となりました。

そのため、企業には、営業担当者へ「知識」「スキル」を学ぶ研修やトレーニングを実施する必要性が高まっています。そして、研修やトレーニングだけではなく、業務のなかで応用できるようにするためのコーチングも必要です。このようなことを行っていない営業組織は、営業担当者を育成できず、営業組織としての目標達成ができない状況です。

業績向上は、営業スキル強化を行わずになし得ることはない!

クライアント企業A社の営業部門を統括する営業統括執行役員のXさんも、以上のような考えをお持ちの方でした。A社は、法人向けサービスを大手企業のお客様に販売しているために、過去「商品知識/市場知識」「計画立案スキル/商談開拓スキル/競合対策スキル/エグゼクティブアプローチスキル」の研修やトレーニング、そして、それをお客様との商談で応用できるコーチングを実施してきました。また、それらを支える営業支援ツールや「ジョブ型の人事制度」の導入も行ってきました。

以上のような「営業担当者の能力の向上(研修/トレーニング)」「営業ツールの強化(営業支援ツールの導入)」「営業組織の仕組みの強化(ジョブ型雇用制度とコーチング)」を行うことで、売上業績をV字回復しました(営業一人あたりの売上額の増加など、生産性の向上も実現しました)。

今回、A社の営業統括執行役員のXさんは、さらなる業績の向上を目指し、営業担当者の「交渉力」の強化を行いました。

なぜ、営業担当者に「交渉力強化」が必要なのか?

現在の営業組織には、大幅な値引きをなるべく抑え、適切な営業利益率を維持する営業活動が求められています。そのためには、「お客様との良好な関係」だけを最優先させる従来の営業方法では不十分です。営業担当者は、「お客様との良好な関係」は当たり前として、その上で、適切な販売価格で取引をすることが求められます。

ですが、実際のところ、多くの営業組織では「お客様との良好な関係」のために値引き要求に応じています。それが適度な値引きであればよいのですが、大幅な値引きをすることも多いため、「お客様との良好な関係」が「取引額と利益の最大化」の障害ともなっています。この「取引額と利益の最大化」と「お客様との良好な関係」が対立している状況の解決策となるのが「交渉力」です。「交渉」とは、獲得したい条件(「取引額の最大化と適正な利益の確保」という営業側が獲得したい条件)を手に入れるために必須となるスキルです。

経営者の課題と狙い

A社の営業統括執行役員のXさんが、さらなる業績向上を達成するために設定した課題は以下でした。

◆ 売上目標が達成できている営業担当者の比率が少ない
◆ 値引率が大きい(各顧客での利益率をいかに増やせるか)
◆ 顧客の課題を解決できるソリューション販売を増やす(言いなりではそれが実現できない)

そのため、以下を狙いとして、営業担当者たちの「交渉力の強化」を行うことにしました。

◆ 価格や諸条件だけではなく、幅広く効果的に交渉できる能力の強化
◆ より利益率の高い商談を実現できる能力の強化
◆ 大手顧客との商談は長期化する傾向がある。その長期間に渡る商談を管理するための交渉力をつける。
◆ 顧客だけではなく、パートナー企業や業務での交渉の重要性の自覚を促す。

この営業担当者たちの交渉力の強化を行うことで、「商談の利益率の向上」を目指すことにしました。

この営業力強化トレーニングを実視する上での懸念とそのためのチャレンジ

今回、この「交渉力の強化」トレーニングを行う上で、営業統括執行役員のXさんの懸念は、「営業担当者たちは、『自分は効果的な交渉ができている』と思っているが、このトレーニングを通して、この思い込みを打破できるのだろうか」でした。

対象となる営業担当者たちは、今まで幾度となくお客様と価格交渉をしてきた営業担当者たちです。彼らは、お客様との価格交渉の十分な経験がありますから、「自分は、お客様のためにも会社のためにもなる、効果的な交渉がすでにできている」と考えています。その上、実際に与えられた営業目標も達成しており、自分の営業方法には自信を持っている人たちです。

ですが、営業統括執行役員のXさんと私たちは、「現在のA社の営業担当者の交渉力は、Xさんの期待に十分応えられているものではない」と考えていました。トレーニングで「効果的な交渉の進め方」の講義をしても、または、Xさんと私たちの考えである「あなたたちは十分な交渉ができていない」と一方的に押し付けても、自分の営業方法に自信を持っている営業担当者は、トレーニングの内容を素直に受け入れ、日常の商談の中で実践しようとはしないでしょう。

以上のように、今回のトレーニングは「効果的な交渉の進め方を講義して終わり」では不十分で、「自分の交渉力は、またまだ不十分だった。今回学んだ方法を実践し、さらに効果的な交渉ができるようにならなければならない」と感じ、かつ、その後の日常の営業活動の中で率先してコーチングを受ける姿勢を育むことがもっとも重要な要素でした。

プログラムの具体的な実施方法

参加者は、営業担当者だけではなく、インサイドセールスも参加することになりました。というのも、交渉は、商談の最終段階の「価格交渉」の場面だけで必要なものではないからです。お客様の購入意欲が十分に高まっていないような商談の初期段階でも交渉力は必要となります。

インサイドセールスは、はじめて問い合わせがあったお客様の対応を行っています。また、このはじめて問い合わせがあったお客様と、1回目の面談であっても価格交渉をする必要もあります。そのために、インサイドセールスの担当者もこのトレーニングの参加対象としました。

プログラムのカリキュラム

以上のような、「営業統括執行役員のXさんの課題」「トレーニング実施に対する懸念」および「トレーニングへの参加者」を考慮した上で、以下のカリキュラムでプログラムを実施しました。

1. 交渉能力の初期診断(自身の交渉能力の高さを認識する)
2. 営業担当者が「交渉力がある」という誤解を生み出す要因
3. 交渉の3つの段階とそれぞれの交渉方法
4. 効果的な交渉をおこなう「交渉計画」の立案
(【参照】【法人営業研修】営業担当者の取引交渉力の強化 ~ 顧客と高次元のWin-Winを実現し、販売額と利益を最大化!(Deal Negotiation, TS-Method)

プログラム実施後のクライアントの評価

プログラム実施後、導入いただきましたA社の営業統括執行役員のXさんから下記の評価をいただきました。

トレーニングの内容には十分満足しています。営業担当者たちは「自分は十分な交渉経験がある」と考えているために、このトレーニングを実施する前は、営業担当者たちが「このような交渉力強化トレーニングは、自分には必要ないものだ」と感じてしまうことが懸念でした。

しかし、私は「営業担当者たちの交渉力は、私が期待するレベルに到達していない」と考えています。もっと効果的に交渉できるはずですし、そして、売上額や利益率を増やすことができると思っています。ですが、営業担当者たちが「自分は十分な交渉ができている」と感じているままならば、トレーニングを受けてもそのトレーニングの内容を日常業務の中で実践してくれないでしょう。

今回のトレーニングでは、全員が「自分の交渉力はそれほど高いものではなかった!」と認識させることに成功してくれました。また、その上で、私が期待している「より高いレベルの交渉を行う方法」をトレーニングしてくれました。

お客様、特に、「大手アカウント」や「エンタープライズ企業」とも言われる大手企業のお客様との交渉は簡単ではありません。強引で厳しい要求も多いでしょう。ですが、今回学んだ「交渉のスキル」を繰り返し発揮することで、「取引額と利益の最大化」と「お客様との良好な関係」の両方が実現できると実感しています。外回りをする営業担当者だけではなく、インサイドセールスにも、このような交渉スキルは必須です。今回のプログラムでは、そのための基盤/土台を作ってくれました。

現在、A社は、交渉力のさらなる強化と営業利益率の向上(値引率の低下)に挑戦しています。その導入効果については今後紹介します。

組織の目標達成の確実性を高めるために「交渉力」を強化しよう!

現在、営業担当者の交渉力強化の重要性が高まっていますが、あなたの会社の営業担当者/インサイドセールス/エンジニアたちの交渉力は十分な状態でしょうか?

重要なお客様との信頼関係を強化し、その上で、その取引額を最大化するためには、営業担当者の交渉力の必要性が益々高まっています。営業担当者がお客様の情報を集め、彼らが直面しているデリケートで危機感が高い課題や問題を発見し、そのような情報を駆使して行う「高度な交渉能力」が、重要なお客様との関係強化と取引金額の増加には必須です。

私たちは、多くの営業組織の業務改善/パフォーマンス向上/変化変革を実践しました。事業を成長させるためのその豊富なノウハウ/経験があります。貴社と力を合わせて営業担当者の交渉力を強化します。より具体的な説明の希望・質問・ご依頼は、下記からお問い合わせください(お問い合わせ内容には「ハイレベル・アプローチについての説明を希望」とだけご記入いただければ大丈夫です)。

文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳(てらおたくみ, Takumi Terao)
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