以前から「属人的な仕事の進め方に陥っている」とわかっており、幾度とその業務改善を行おうとしましたが、途中で挫折し、成し遂げられないままでした。ですが「事業部の業績の低迷」に直面し、これ以上先送りできない状況でした。今回クライアント企業が目指したのは「業務の改善・生産性向上だけではなく、この部署がインサイドセールスの機能を担うような変革」でした。
この業務改善・生産性向上の支援を私たちが担うことになり、この企業の社員と力を合わせて遂行し、生産性を20%向上しました。このクライアント企業が直面していた問題、そして、具体的な取組内容について解説します。
営業事務部署の業務生産性の向上、さらに、インサイドセールスを担うチームへと進化!
営業事務の生産性の悪さをこれ以上放置できない!
業務改善支援を始める前に、クライアント企業A社が直面している悩みや不満を教えていただきました。◆ 仕事が属人化されており、業務マニュアルが整備されていない。
◆ 過去にも業務の変革を行おうとしたが、主要なメンバーがやめてしまう自体が発生し、うまく行かなかった。その際、やめた人から仕事が引き継ぎされていないままだった。
◆ お客様に向かって仕事をしている姿勢を高める必要がある。
◆ 業績が低迷している。何しろ業績を向上させなければならない。そのためにも、単なる注文を処理するだけではなく、注文をとってくる役割も担ってほしい。
今回の業務改善でA社が目指していることは下記でした。
◆ 現在の属人的な業務状況からプロセス化された業務状況へ、そして、継続的に改善ができるようにする
◆ 季節により業務量の変動があるために、繁忙期にアルバイトなどでもすぐに簡単な業務を担えるようにする
◆ 「注文の処理」という受け身の業務だけではなく、インサイドセールスを担うようにする
◆ 目標として生産性を20%向上する!
私たちが選定された理由
A社は、大手コンサルティング会社にも相談をしていました。そんな中、私どもを選定いただきました理由は、以下のような提案内容の具体性でした。私たちの提案をご評価いただき、生産性向上・業務改善プロジェクトの支援を私たちが担うことを決定いただきました。◆ 業務フローの見える化
◆ 職務記述書の取りまとめ
◆ マニュアルの作成
◆ マニュアルの今後のメインテナンス方法の手順書の提示
◆ インサイドセールスの業務設計経験
支援を開始した後に発覚した問題とは?
A社の業務改善プロジェクトが始まりますと、様々な問題が複雑に絡み合っていることがわかりました。その代表的なものは以下でした。◆ 基本的な業務フローが定められていない
◆ 利用されているコンピューターシステムが業務をサポートしている状態にない
◆ 関連部署との連携が悪い
問題1. 基本的な業務フローがない
一緒にこの生産性向上・業務改善プロジェクトに挑戦するマネージャーや社員とミーティングを行うと、この会社の社員たちが誇りとしていることは「お客様との関係性の良さ」だとわかりました。「お客様からの様々な要望に『ノー』と言うことなく応えてきた」ことに自信を持っていました。お客様の様々な要望に応えるために、今まで社員たちは自分なりの知恵を発揮し、自分たちが効率良いやり方で業務を行っていました。ですが、それが逆にアダとなり「組織としての基本形となる業務フロー」をわからなくさせ、誰に聞いても「進め方は状況によって違う!」と言う状況でした。これでは組織としての生産性の向上を妨げている根本的な原因を特定できません。この部署の課長に文書化した業務フローがないかを聞いたところ、文書化されているものはありませんでした。あるのは受注情報を入力するコンピューターシステムの操作マニュアルだけだということでした。そのため、業務フローを作ってもらうようお願いすると「過去そのようなことをしたことがないためにどうすればよいかわからない」と言われました。
部長や課長が自分の担当する業務の業務フローを書けないということは、その担当する業務の管理ができているとは言えません。まずは、私たちがこの業務フローを図示し、その後、業務フローを図示できるようにするためのコーチングも必要であることがわかりました。
問題2. 業務システムが業務をサポートしている状態にない
「業務が属人化している」ということでしたので、その状況を正確に把握する必要がありました。社員たちの作業状況を観察すると、システム入力で不思議な行動をしていることに気が付きました。「すべての見積もりに対して、入力した内容を一度印刷し、それをプリンタまで取りに行き、その後PDFファイルにし、再びシステムに貼り付る」という作業を行っていたのです。そのような作業をしている理由を聞いたところ、「それが業務上のルールなので」との回答でした。測定してみると、見積もり作業時間の約20%の時間がこの作業に奪われていることがわかりました。ここ数年、システムの更新が行われてなく、業務プロセスにシステムが適合していない状況でした。すなわち、このシステムへの入力のために、逆に手間がかかるような状況だったのです。このような手間のかかる単純作業は、本来コンピュータで自動化すべきです。人がこのような手間のかかる作業を頻繁に行っているために、作業時間を増えているだけではなく、印刷物の取り間違いなどの人的ミスも発生する原因となっていました。そのため、システムの一部を変更する必要があることもわかりました。
問題3. 関連部署との連携が悪い
以上の他に下記の副次的な問題も起こっていました。◆ 関連部署との情報のやり取りに手間がかかっている。
◆ 新入社員向けの学習資料がなく、新入社員が一人で業務ができるようになるまでに半年もかかっている。
◆ 社員たちは人事評価に満足していなかった。
これらの問題は、このA社特有の問題ではありません。ほかの多くの企業でも発生している問題です。多くの企業はこのような問題に直面すると表面的な応急処置だけを施します。その応急処置の蓄積によって属人化、および、硬直した業務体制へと陥ってしまっていることが多いのです。「本質的な問題を対処していない」かつ「生産性向上・業務改善の技法について知らない」ということが企業の業績に悪影響を与えています。
業務改善・生産性向上プロジェクトでわたしたちが支援した内容とは?
以上のような問題を特定した後、プロジェクトの推進計画を立案し、A社のプロジェクトメンバーと一緒に下記のタスクを開始しました。◆ 現在の業務プロセスの見える化
◆ 現在の業務プロセス上の問題点の明確化、および、インサイドセールスを実施する上での不足点
◆ インサイドセールスを踏まえた上での「目指す新しい業務プロセス」のデザイン
◆ 変革プロジェクト計画の立案と遂行
◆ チェンジマネジメントの計画と遂行
◆ 新しい業務プロセスにおけるマニュアル作成支援
最終的に「20%の生産性向上」を達成した!
以上のような業務改善を行い、その結果として下記の成果物を完成しました。◆ 新業務プロセス
◆ 新業務プロセスマニュアル
◆ 職務記述書(職務概要/職務明細/適正要件/評価項目)
◆ トレーニング計画書
また、今回の業務改善プロジェクトの最終目標は「この部署がインサイドセールス業務も担えるようなること」でした。そのためにインサイドセールス業務としての下記の成果物を作成しました。
◆ インサイドセールス業務プロセス
◆ インサイドセールス職務記述書(職務概要/職務明細/適正要件/評価項目)
A社のプロジェクトメンバーが、この業務改善の活動を頑張ってたおかげで、最終的に20%の業務量を削減しました(20人で行っている仕事を16人で行えるようにしました)。
今回16名で「営業事務業務」を行えるようにしましたので、4人分の余剰を生み出すことができました。その4人には営業スキルがある人を選択し、新しく新設した「提案型インサイドセールス業務」を担っていただくことになりました。「受け身」の業務だけではなく、さらなる受注増加を担う業務を行ってもらう体制を構築しました。
生産性向上・業務改善というのは、場当たり的に行っても成し遂げられません。まずは現状把握を行い、目指すべき業務プロセスをデザインし、その理想となる業務プロセスへ移行するプロジェクトを立案し、その計画に沿って遂行する必要があります。そのためには、変革プロジェクトの経験と高度なスキルを持ったプロフェッルナルとともにその一連の取り組みをしっかり体験・学習することが効果的です。それによって、その後は自社だけで変革ができるようになります。
貴社の営業業務の生産性に問題を感じていれば、ぜひお問い合わせください。私たちが、貴社の業務改善の支援をし、その後、貴社の社員たちだけで継続的な業務改善ができる仕組みを構築します。
文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳(てらおたくみ, Takumi Terao)
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