多くの企業が「自ら考え行動し結果を出す社員」を求め、社員がそのような行動をすることを期待しています。ですが、満足できる状態には至っていません。社員たちはたしかに真面目に仕事に取り組んでくれているのですが、「組織成長への貢献」という観点ではまだまだ改善すべき余地はたくさんある状態です。それを改善すれば、組織が力強く成長することができます。
このノートでは、このエンジニアリングサービス会社が「チームによる自主的な組織問題解決」プログラムに取り組むことになった背景と実施した効果について解説します。
組織の業績に悪影響を及ぼす組織問題の解決力を強化!
企業成長を実現するために、社員の貢献力の強化が必要だった!
「チームによる自主的な組織問題解決」は企業にどのような効果をもたらすか?
私たちは「チームによる自主的な組織問題解決」という組織成長ソリューションを提供しています。これは社員の「組織課題解決力」を強化することで、組織の目標達成と持続的な成長を目指すものです。「チームによる自主的な組織問題解決」は、その名の通り「チームとなって自主的に組織問題解決を実施し、組織の業績を改善する(パフォーマンスを向上する)」プログラムです。多くの企業がこのようなことを行おうとしていますが、様々な問題や障害に直面し、最後までやり遂げることなく終わってしまっています。このプログラムは、そのような様々な問題や障害を回避し「組織の業績を改善する(パフォーマンスを向上する)」体系的な実施方法を学び、その後、そのチームの行動を組織内に定着させることを目的としたものです。
「チームによる自主的な組織問題解決」は、下記で説明していますので、そちらも合わせてお読みください。
◆ 【組織成長力】チームで挑戦する『事業成長への行動』推進モデル ~ 事業計画達成に貢献する組織課題解決力を強化!(Driving Model for Growth)
◆ どうすれば成長意欲のある社員を増やし、事業成長に貢献する自主的な行動を増やすことができるか? ~ 事業を成長させるための仕組み『事業成長への行動』推進モデル
このプログラムを通して、どのような結果を成し遂げるのか?
エンジニアリングサービス会社A社は、企業として高い成長率を掲げ、成長に向けたチャレンジをしている会社です。A社は「組織として成長するための重要課題の1つが『人材』」と考えていましたが、社員たちの組織成長への貢献度や問題解決力には満足できていませんでした。仕事には普段から真面目に取り組んでくれていますが「自ら考えて主体的に取り組んでいる」とは感じられず、そのような社員を増やす必要性がありました。ちょうどその時に、私たちがこの「チームによる自主的な組織問題解決」ソリューションを提案し、実施することを決断されたのです。A社は1つのチーム(通称チームN)を選定して、このチームNが「チームによる自主的な組織問題解決」を行うことにしました。チームNは設計エンジニアが集まったチームで、製品設計を業務としていました。このチームNの業績は、他のチームと比べても劣っている状況でした。彼らは責任感を持って真面目に仕事をしているのですが、それが業績向上につながっていなかったのです。チームNは下記に取り組むことで、最終的にチームとしてのパフォーマンスの向上を目指すことになりました。
◆ 業績改善(パフォーマンス向上)するための仮説を立案する。
◆ 立案した仮説を最後まで遂行する。
組織成長に向けたチームの活動が始まった!
業績を向上するための仮説を設定する
チームNは、まず以下のことに取り組むことから始めました。◆ 業績悪化に影響している問題を特定すること
◆ そのための解決策を立案すること
チームでブレインストーミングを行い、業績に悪影響を及ぼしている要因を複数リストしました。そのリストされた要因のうち、今回は「離職率の高さ」に取り組むことを決定しました。ちょうどチームNが属する事業部でも離職率の高さが問題となっていたのです。また、チームNの離職率も、他のチームと比べて悪い状態だったのです。
テーマが決まりましたので、次は、離職率を改善するための計画を始めました。彼らは「離職率が高い原因はなにか?」と「どうしたら減らせるか?」から検討をはじめました。チームはインターネットで離職率に関わる記事を見つけ、活用し始めました。その記事には「一般的な退職理由」が紹介されており、その退職理由を1つ1つ確認しながら、「チームNでの過去の退職理由には何があったのか?」を思い出そうとしました。その作業の結果、チームNでの離職率が高い主な原因は「希望する仕事ではない」と「会社が方針を伝えていない」ことだと結論づけました。
次は、この「離職率の高さ」を解決するための重点施策を検討する段階ですが、ここで障害に直面しました。「希望する仕事ではない」と「会社が方針を伝えていない」ことに対する具体的な達成基準と重点施策を決めることができなかったのです。「希望する仕事ではない」と「会社が方針を伝えていない」の対策を話し合っても、出てきた意見は「上層部の方針をもっと伝える」「リーダー間で困りごとを共有する」「中間層の能力を強化する」などの抽象的な行動計画しか思いつきませんでした。
このチームNのように「達成基準や重点施策を決められない」ということは、多くの企業でも発生している問題です。これは「過去のデータを活用して定量的に現状を把握していない」ことが原因です。チームNは、インターネットの記事を利用して過去の退職理由を特定しようとしましたが、これだと推測しか生み出せません。組織問題を解決するためには定量的に現状を把握することが大切なのです。そこで、過去数年間の退職者数や退職理由のデータを集めるように助言しました。
探してみたところ「チームNの数年間の退職者数」のデータはありましたが、退職理由についてはまとまったものがありませんでした。更に調査をすると、A社としての退職者数と退職理由のデータがあることがわかりました。これらのデータを活用することで、具体的な達成基準として「今回の取り組みで、退職者数を何名まで減らすか」を数値として決定することができました。また、その重点施策の1つとして「人間関係や職場関係を退職理由にする人の割合を減らす」と決めることができました。当初考えていた「希望する仕事ではない」と「会社が方針を伝えていない」という退職理由はA社ではそれほど割合が高くなかったのです。
多くの社員は、データを活用して分析することが不十分です。そのため、組織としての達成目標や重点施策を特定することができていません。多くの社員の「データを活用して分析する能力」は強化することが大切です。
途中からリモートでのチーム活動へ!
達成目標と重点施策が決まりましたので、組織問題の活動が始まりました。チームNがまず取り組んだ活動は「現在のメンバーたちの不満をあつめる」ことでした。ここでチームNは次なる障害に直面しました。「メンバーたちの不満が20個ほど集まったのですが、様々な意見があり、それをどのように利用・対処するか?」がわからなかったのです。このことだけで1ヶ月を超える時間を要してしまいました。そこで「今までメンバーの不満に対してどのように対処しているのか、その対処手順を書き出してみては?」と助言しました。彼らはその助言に取り組みましたが、図示することができませんでした。その理由は「状況によって対処手順が違う」「今まで感覚的に取り組んだことなので『話を聞いて対処する』ことしか思いつかない」ためでした。そこで、業務をプロセスとして表現するプロセスチャートについてのレッスンを急遽開催しました。その後、数回のティーチングを行い、最終的に図示することができました。
多くの社員は、自分の業務をプロセスで図示することができません。ですが、組織の業績(パフォーマンス)を改善するためには、業務をプロセスで図示するスキルは必須スキルです。多くの社員は業務をプロセスで図示できる能力を高める必要があります。
また、この組織問題解決に取り組んでいる最中に、コロナウィルスによる緊急事態宣言が発令されました。そのため、この組織問題解決の活動も一旦停止することになりました。その後、A社全体の業務もリモートワークとして再開され、それから少し遅れてこのチームNの組織問題解決もオンラインミーティングツールを利用して進められました(実際に、この「チームによる自主的な組織問題解決」は、オンラインミーティングでも遂行できるようになっています)。
改善結果を取りまとめる
以上のような経緯を経て、約8ヶ月にわたる組織問題解決が終了しました。チームNは最終的に以下のことを達成しました。◆ 退職者数の削減(当初設定した目標以上の削減を達成)
◆ 「退職するかも?」と思われる人に対する「発見と予防」プロセスの確立
この組織問題解決を行う前は、「発見と予防」について意識的に取り組んでなく、メンバーから「やめます」と言われて初めて対処している状態でした。また、事後対処ですらプロセス的ではなく各人が場当たり的に行っていました。今回の組織問題解決では、予防も対処もその両方をプロセスとして図示しましたので、チームNは今後「離職率の削減」の状況を把握しながらより効果的に取り組むことができるようになったのです。
プログラム実施後のクライアントの評価 ~ 次は組織成長の仕組みを作る!
約8ヶ月にわたるプログラムが終了し、実施したA社の人事担当マネージャーからは下記の評価をいただきました。社内には、期待する業績を出せていないチームも多く、その業績が悪いチームは「自分で考え行動し結果を出す」という行動が十分ではない状況です。ほとんどの社員は真面目に業務に取り組んでくれますが、真面目に取り組むことが組織の成長につながっているわけではありません。今回、チームNのメンバーは「自分で考え行動し結果を出す」具体的な方法を体験できました。今後は「このような活動の質を高め、より高い成果を出せるようにすること」と「会社の中でここのような行動の数を増やすこと」にチャレンジします。
「チームによる自主的な組織問題解決」によって、自分で考え行動し結果を出す取り組みを増やそう!
多くの企業の経営者やマネージャーたちは、「社員たちが自ら考え行動し結果を出すこと」を期待しています。変化が激しい現在において、そのような社員を増やすことが企業や組織の持続的成長の絶対条件だからです。ですが、今回紹介したA社のように、仕事には真面目に取り組んでいるが組織成長へ貢献している社員は不足している状態です。まずは、A社のように社員たちが組織成長に貢献する方法を学び、実践できるようになる必要があります。ですが、それだけでは不十分で、継続的に強化します。1回体験したからできるようになるというような簡単なものではありません。繰り返し実行し、組織としてノウハウを蓄積することが大切です。成長できている企業はそのようなチームによる行動を組織として行っているからこそ成長できているのです。
力を合わせて、組織として成長する力を強化し、その仕組みを構築しましょう。このチームによる自主的な組織問題解決の具体的な内容説明の希望・質問・ご依頼は、下記からお問い合わせください(お問い合わせ内容には「チームによる自死的な組織問題解決について詳細説明を希望」とだけご記入いただければ大丈夫です)。
(本ノートは、2020年11月12日に書かれたものを再編集しました)
文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳(てらおたくみ, Takumi Terao)
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