意思決定の遅い大企業への販売、どうすれば購入検討を先へと進められるか? ~ 大手企業の導入検討を加速するアプローチ戦術

「更に大きな売上を達成するためには、大企業と取引ができなければ!」 多くの営業マネージャーも営業担当者も同じことを考えていることでしょう。

そう考え、大手企業にコンタクトして、扱っている商品やサービスをご提案します。お客様は関心を示してくれますが、ここで多くの営業担当者たちは問題に直面します。関心は持ってもらえましたが、その商談が先へと進まないのです。その理由は、大企業の意思決定が遅いためです。どうすれば大企業の導入検討を早めることができるのでしょうか?

意思決定が遅い大企業のお客様に対してその購入検討を早めるために、私たちが以前から実際に実践してきた具体的なアプローチ戦術について解説します。

大手企業の導入検討を加速するアプローチ戦術

大手企業の購入検討が遅すぎる!

中小企業だけに販売しているだけでは、売上を大きくすることはできません。なぜならば、中小企業のお客様の予算は限られているからです。それに比べ、大手企業の予算は桁が違います。大手企業1社だけに売上が依存してしまうことは問題ですが、業界トップの大手企業と取引ができると売上額を拡大することができますし、その上、継続的な取引も期待できます。また、業界トップ企業との取引実績があることは、その業界の2番手以降の企業との取引もしやすくなります。

以前と比べ、大手企業の人にコンタクトすることはそれほど難しいことではなくなりました。最近は、様々な場所で展示会なども開かれていますし、コンタクト先を紹介してくれる人を探すこともそれほど困難ではないでしょう。あなたの商品やサービスをご紹介するための大手企業の人とのアポイントを取ることまではなんとかなります。

大手企業のお客様のアポイントが取れたら、お客様に商品やサービスを紹介します(ここでお客様に関心を持ってもらうための方法は「新規顧客から確率高く新規案件を開拓するための方法とは! ~ 新規のお客様をより多く開拓できている営業組織が行っている5つの基礎要素」で紹介していますのでそれを参照ください)。

商品を紹介してお客様が関心を持ってくれても、ここで問題に直面します。「大手企業のお客様の購入検討が先に進まない、具体的にならない」のです。よく言われることですが大企業は意思決定が遅いです。大手企業のお客様と面会でき、お客様に関心を持ってもらうまでは成功しましたが「商談が先に進まない、具体的な検討に入らない」状況をどのように対処していけばよいでしょうか?

大手企業の意思決定が遅い6つの理由は?

大手企業の意思決定が遅く、購入が先に進まない主な理由は以下の6つです。
1. 自分の仕事に役立つかどうか確信がない(自分の仕事上の主要問題を把握できていない)
2. 効果が得られるか確信が持てない
3. 今すぐには必要ではない(他に、優先すべき課題や問題がある)
4. 決める人がいない(責任を取りたくない)
5. 購入しても誰が取り組むか見込みがない(自分の仕事を増やしてしまうかも)
6. 購入をするためには多くの申請、多くの人の了承が必要

これらの問題を解決すれば、お客様の導入検討を先へと進めることができます。

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購入検討を先へと進めさせる営業のアプローチ戦術

関心を持っていただいた大手企業のお客様の購入検討を具体的なものへと進めさせるために、私たちが以前から実践してきた方法が下記の6つのアプローチ戦術です。

対策1. 他の課題を探る

検討が進まない理由の1つは、紹介した商品やサービスが本当に役立つかどうかわからないからです。その場合には、今までに伺っていた「お客様の課題・問題」とは別の課題・問題がないかを探し、その課題・問題の解決方法とその際の予想される効果について話をします。1つの課題だけではなく、2つ目、3つ目と他の課題にも役立つ可能性が増えると「思った以上に役に立ちそうだ!」「思った以上に必要そうだ!」と感じてもらうことができ、話が先へと進みやすくなります。

対策2. 想定で良いので使用しているイメージを話し合う

関心を持ってもらったが話が先へと進まないお客様とは「もし仮に導入することになったら、何個くらい必要そうですか?」「どこに設置しますか?」「具体的にユーザーは誰で、どのように活用ですか?」など、利用イメージを話し合うことも効果があります。そのような話をしているうちに、お客様の頭の中で具体的なイメージが湧いてきて、導入を進める意欲が高まってきます。また、稟議書に書くべきことも整理されますので、購入に必要な書類作成を早める効果もあります。

対策3. 小さくても良いので、何しろ取引をする

商品やサービスの販売価格が大きい場合、役職の高い人の承認を取らないと購入検討を進めることができません。稟議書の準備などの手間がかかりますし、その上、その稟議書が上層部に届くまでに時間もかかります。ですので、「トライアル導入」もしくは「パイロット導入」などできる限り小さい金額で購入できる方法をご提案します。そうすれば、上層部の承認を取らなくても良くなります。また、トライアル導入することで、それが導入実績となりますし、その導入効果を具体的にできます。そこから次の大きな取引へと発展できるのです。まずは、小さな取引で実績を作り、その後、大きな金額の取引へと拡大させます。

対策4. リスクを取る人を探す

大手企業の購入検討が遅いのは、その商談をしている担当者が適切ではないことも理由の1つです。通常、大企業の担当者はリスクを嫌い、リスクを取ろうとしません。そういう人と商談を進めていても、お客様の購入検討を早めることはできません。

そのため、リスクを取ろうとする人を探して、その人と商談をします。その際、カギを握るのは出世欲のある人を見つけることです。通常、出世欲のある人は、他の人よりも高い成果をめざしますからリスクを取ります。ただし、その人と商談を進めるためには「対策1. 他の課題を探る」で説明した課題や問題をはっきりしておくことが前提条件です。リスクを取ろうとする人でも、その人の役に立たなければ購入を進めようとはしません。

また、多くの営業は、今まで商談をしていたお客様に嫌われることを恐れ、他の人と商談をしようとしない傾向もあります。ですが、これは間違っています。なぜならば、その人は商談に進めてくれなかった人なのです。営業は、商談を進めてくれる人を探して、その人へアプローチすることも重要な仕事の1つです。

対策5. 成長している部署・今後高成長が期待できる部署にアプローチをする

成長している部署・高い成長率を期待されている部署は、他の部署と比べて予算が多いです。そして、その高い成長率を維持するために、予算の執行など様々なことがメンバーたちへエンパワーメント(権限移譲)されています。そうしないと組織のスピードが遅くなってしまうからです。すなわち、上層部の承認がなくても購入の判断をすることができます。

また、成長している部署・今後成長が期待できる部署というのは、今までとは違う新たなことにチャレンジする必要がありますから柔軟性があります。あなたが提案したいことは、すでに他の部署では関心があり、多少なりとも必要性があることがわかっているのですから、商談する先を成長している部署・高い成長が期待されている部署へ変更すれば購入検討を早めることができます。

対策6. 顧客組織・ニーズをプロファイリングしておく

以上のアプローチによって集めた情報は、そのお客様へ次の商品やサービスを販売する時に役立ちます。そのためにも「出世欲がある人は誰か?」「成長している部署はどこか?」「成長が期待されているところはどこか?」「どのような課題や問題があるか?」をプロファイルとしてまとめておきます。地道な作業ですが、このような地道な作業を繰り返しておくことが、のちのち様々な場面で役立つのです。

注意点は「本当に購入するのか?」

営業側が「お客様の購入検討を早めたい!」と思っていても、実はお客様はそう思っていないことも多いです。お客様は、情報だけを集めますが「お金をかけずに自分たちでやってしまおう」「付き合いのある会社にやらせよう」と購入は考えていないこともあります。

ですので「関心を持ってくれた!」と感じても「本当に購入するのか?」という疑問を持ちながら商談を進める必要があります。そのことを意識して、お客様の状況や考えを幅広く伺います。その理解を通して「私たちから購入するからこそ、リスクなく、かつ、迅速に結果を達成できますよ!」と提案するためのヒントを集める必要があります。

購入検討を先へと進めさせるアプローチを実施しよう!

わたしたち自身、以上に解説したアプローチを戦略的に行うことで、いくつかの業界トップ企業を攻略しました。大手企業への営業活動は、場当たり的にお客様と面談しているだけではうまくいきません。戦略をもって行わなければ、大手企業にアプローチする時間そのものがムダとなってしまいます。大手顧客と大きな取引をすることは簡単ではないのです。

私たちは、大手顧客開拓の様々なノウハウを保有しています。貴社の営業パーソンをレベルを向上したければ、遠慮なくお問い合わせください。一緒に力を合わせて取り組みましょう。私たちが、貴社のアカウント営業力・エンタープライズ営業力の強化をいたします。

(本ノートは、2010年4月23日に書かれたものを再編集しました)
文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳(てらおたくみ, Takumi Terao)
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